蔗糖吸収能よりみた消化管切除術後の小腸機能に関する実験的研究
1974 年 71 巻 2 号 p. 97-107
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1974 年 71 巻 2 号 p. 97-107
胃切除後あるいは広汎小腸切除後の消化吸収状態を, 小腸粘膜sucrase活性と糖質経口負荷試験の面より, 雑種成犬を用いて実験的に検索した.
その結果, 胃切除後の上部小腸のsucrase活性は術前の約25%前後低下していた. また広汎小腸切除後の残存小腸にはsucrase活性面での代償性変化はみられず, 切除はそのまま活性の欠落を残していた.一方これら術後の生体がrapid gastric emtyingやshort bowel syndromeなどsucrase活性以外の吸収異常状態にも遭遇するためか, 糖質経口負荷試験時のfructose吸収曲線は夫々の切除に特徴的なsucrose intoleranceの像を示していた.
