1974 年 71 巻 7 号 p. 631-641
薬物性肝障害が疑われた28例について, 末梢血リンパ球培養法および一部の症例についてchallenge test, macrophage遊走阻止試験を施行し, 薬物性肝障害の各種診断方法の有用性について比較検討した.末梢血リンパ球培養法は28例中13例 (46%), challenge testは8例中7例 (88%), macrophage遊走阻止試験は7例中4例 (57%) が陽性を示し, challenge testがもつとも高い陽性率を示した.
challenge testをする際の候補薬剤の投与量は, 肝機能検査成績が正常化後早期に常用量の1回量ないし1日量投与することが望ましく, また亜急性肝炎, 劇症肝炎などの肝細胞壊死の強い症例では, in vitroの試験管内の方法を施行することが望ましいと思われた.