表面平担型早期胃癌のX線診断を確立する目的で胃X線検査, 胃内視鏡検査, 切除胃標本, 病理組織について検討を行ない, 次の結果を得た.対象は典型IIb 2例, 随伴典型IIb 1例, 類似IIb 6例, 随伴類似IIb15例である. 典型IIbでは全例病理組織所見によつて初めて範囲が判明した. 類似IIbではX線所見を, I) 陥凹型 “わずかに濃い陰影斑の中の, けばだち状, ひびわれ状陰影”, II) 中間型 “バリウムが淡く上を被つた亀の甲状の不揃いな顆粒状陰影”, III) 混合型 “類円形のはつきりした粗大顆粒の集合と淡いバリウムの附着”, IV) 隆起型 “不規期な溝をもつ偏平不整形透亮像の集合” の4型に分類した.これらは中~大量の二重造影法により最もよく病変を描写し得た.