日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
代謝動態的膵外分泌機能検査
澤武 紀雄広瀬 昭一郎中島 真米田 正夫西邨 啓吾武内 重五郎
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1975 年 72 巻 1 号 p. 25-35

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抄録

対照20例, 膵炎7例, 慢性膵炎疑診16例, 膵癌5例を含む131例に 75Se-selenomethionine 静注後20分よりPS test を行ない, 放射能分泌の推移を動態的に分析した. 75Se-sm静注80分以後の放射能分泌は対照群で急速に増加するのに比し, 疾患群ではあまり増加しなかつた. 特にタンパク放射能の分泌は著明に低下し, その異常出現率は現行PS test の3因了のそれよりも明らかに高く, 本法は現行のPS test より鋭敏な方法であると考えられた. 酵素合成•分泌能を表現するタンパク放射能分泌と酵素合成能を表現する最高タンパク比放射能の間には一般に高度な相関性がみられるが, 解離する場合もあり, このあたりに合成能と分泌能を別個に検索する意義があると推察された.

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