1975 年 72 巻 7 号 p. 799-810
閉塞性黄疸の診断に内視鏡的逆行性膵胆道造影法は最も有力な検査法の1つである. 私どもでは本法を760例に実施したが, 閉塞性黄疸患者27例を診断し得た. 内訳は胆嚢結石1例, 胆嚢胆管結石2例, 胆管結石2例, 胆嚢癌2例, 胆管癌5例, 慢性胆管炎の疑1例, 膵癌11例, 慢性膵炎2例, 膵偽嚢腫の疑1例であつた. 胆管結石では著明に拡張した胆管と遊走する透亮像を示すことが多く, 胆管癌では種々の断端鍛を示す胆管閉塞を示し, 膵癌では膵管像を得る事等から比較的容易に鑑別出来た. 又閉塞性黄疸と鑑別困難であつた肝内性黄疸も本法にて肝外閉塞を否定し得た. 更に直接採液細胞診, 直視下生検等も補助的診断として有用であつた.