日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
十二指腸潰瘍の胃液ペプシンに関する研究
関 啓北村 嘉男岸 清一郎
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1976 年 73 巻 1 号 p. 77-83

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抄録

十二指腸潰瘍20例の活動期と瘢痕期における胃液ペプシン分泌の変動について検討した. 十二指腸潰瘍を年代別に3群に分類した. BAC, BAC/MACは瘢痕期に軽度低下を示すが, ペプシン分泌は一定の傾向を示さない. 年代別のBPCは, BACと異なり, 加齢によつても低下しない. 治癒期間別にみると, 早期治癒群のBPO, MPOは, 治癒遷延群および再発再燃群に比し低値を示し, しかもBPOは前者と後2者間には有意差を認める. また, 活動期と瘢痕期のBPOは, 早期治癒群では低下するが, 他の2群では逆に上昇傾向を認める.
従つて, 胃液ペプシンことにBPOの高値は, 十二指腸潰瘍の治癒期間に関与するものと考えられる.

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