1976 年 73 巻 12 号 p. 1545-1552
1) 正常22例および Zollinger-Ellison 症候群1例を含む各種胃•十二指腸疾患250例について, 空腹時血清ガストリン値を測定した.
2) 正常群では空腹時血清ガストリン値は54±7pg/mlであつた. 正常群よりも有意に高値を示したのはZollinger-Ellison 症候群, 胃ポリープおよび萎縮性胃炎群であつた.
3) 胃潰瘍, 胃癌ともに胃体部に発生した症例では空腹時血清ガストリン値は高値を示し, 胃角部, 幽門洞部と移行するにつれてガストリン値は低値を示した.
4) 空腹時血清ガストリン値は胃分泌に対して弱い負の相関性があり, 低酸の場合にその傾向は強かつた.