日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
胃•十二指腸疾患と血清ガストリン値
空腹時血清ガストリン値について
渡辺 英生木下 真人近藤 肇彦Toshiaki KUSHIDA宮本 英之小西 正甫仁木 寛治加納 嘉明桑島 輝夫古味 信彦湊 義博森本 恭史
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1976 年 73 巻 12 号 p. 1545-1552

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抄録

1) 正常22例および Zollinger-Ellison 症候群1例を含む各種胃•十二指腸疾患250例について, 空腹時血清ガストリン値を測定した.
2) 正常群では空腹時血清ガストリン値は54±7pg/mlであつた. 正常群よりも有意に高値を示したのはZollinger-Ellison 症候群, 胃ポリープおよび萎縮性胃炎群であつた.
3) 胃潰瘍, 胃癌ともに胃体部に発生した症例では空腹時血清ガストリン値は高値を示し, 胃角部, 幽門洞部と移行するにつれてガストリン値は低値を示した.
4) 空腹時血清ガストリン値は胃分泌に対して弱い負の相関性があり, 低酸の場合にその傾向は強かつた.

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