1976 年 73 巻 5 号 p. 536-543
ICGの血中における存在様式について種々の分析方法を用いて検討を加えた. ICG添加血清につき澱粉ブロック電気泳動を行なうと, アルブミン (Al) 分画に一致してICGの大ピークがみられ, 他にβグロブリン (β-Gl) 分画にも小ピークがみられた. これらのピーク部分を Sephadex G-200を用いてゲル濾過し,免疫電気泳動により結合蛋白を検索すると大ピーク部分は主としてα1リポプロテイン (α1-Lp), 小ピーク部分はβリポプロテイン (β-Lp) であつた. 又等電点分画法を用いて行なつた検索でも同様の結果が得られた. 以上より, ICGはα1-Lp, β-Lpと多く結合し, Alとの結合は少なく又親和性も弱いものと考えられた.