ファーター乳頭部, 小乳頭, 傍乳頭部憩室, Promontory に関する形態学的研究 (前編) ファーター乳頭部の特に加令による変化および膵•胆道病変との関連について
1976 年 73 巻 9 号 p. 1003-1021
詳細
1976 年 73 巻 9 号 p. 1003-1021
本編では, 2～97歳にわたる剖検例202例のフアーター乳頭部および膵を中心に, 肉眼的ならびに組織学的所見をもとに, 両者の加齢による変化および相関について検討を加えた.
フアーター乳頭部の肉眼的基本形態は大乳頭, 縦ひだ, 小帯および包皮の4要素の組合せにより構成される. フアーター乳頭部の基本形態は Oddi 括約筋および小帯内に存在する縦走筋線維束の構造と密接な関連を有する. フアーター乳頭部および膵には加齢および胆石の併存による組織学的変化が認められた. フアーター乳頭部の変化と膵の変化との間には密接な相関が認められた. 胆膵管の開口形式と胆石の種類とくに合流開口型とコ系石との間に有意の相関が認められた.
