1977 年 74 巻 12 号 p. 1735-1742
1971年1月~1976年12月までの7年間に24例の胆のう癌を経験した. 24例中14例にEPCG又はPTC検査を施行し, その造影所見よりうち11例 (79%) が術前診断可能であつた. 一方この検査を施行しなかつた10例では, 術前診断が可能であつた症例は1例もなかつた.この事より胆のう癌診断の為にEPCG又はPTC検査は非常に有効な検査法であつた. しかしその手術成績は全く不良で, 治癒切除4例 (17%) をふくめて, 切除可能であつた症例は10例 (42%) にすぎなかつた. 予後では, 長期生存例はなく, 最高1年以上生存中1例のみで, 多くは6ヵ月以内に死亡している. したがつて, より早期の胆のう癌発見が望まれる.