日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
胆のう癌診断の現況
とくに直接胆道造影所見を中心に
清水 道彦河村 奨富士 匡青山 栄中村 克衛竹本 忠良土井 悌伊藤 陽貳前谷 昇針間 喬森本 哲雄内田 善仁西明 義晃牧坂 泰治松浦 宏松原 龍男大下 芳人
著者情報
キーワード: 胆のう癌, EPCG, PTC, 直接胆道造影
ジャーナル フリー

1977 年 74 巻 12 号 p. 1735-1742

詳細
抄録

1971年1月~1976年12月までの7年間に24例の胆のう癌を経験した. 24例中14例にEPCG又はPTC検査を施行し, その造影所見よりうち11例 (79%) が術前診断可能であつた. 一方この検査を施行しなかつた10例では, 術前診断が可能であつた症例は1例もなかつた.この事より胆のう癌診断の為にEPCG又はPTC検査は非常に有効な検査法であつた. しかしその手術成績は全く不良で, 治癒切除4例 (17%) をふくめて, 切除可能であつた症例は10例 (42%) にすぎなかつた. 予後では, 長期生存例はなく, 最高1年以上生存中1例のみで, 多くは6ヵ月以内に死亡している. したがつて, より早期の胆のう癌発見が望まれる.

著者関連情報
© 財団法人 日本消化器病学会
前の記事 次の記事
feedback
Top