日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
ブイヨン負荷による血中gastrin反応に関する研究
渡辺 一晶矢花 剛角本 芳隆関山 伸男三谷 深泰中川 亨高須 重家谷内 昭佐藤 勝巳
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1977 年 74 巻 7 号 p. 874-882

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抄録

内因性G放出機序および胃・十二指腸疾患の病態生理学的特徴を明らかにする目的でbouillon (負荷による) gastrin testを考案して臨床応用を試みた. 正常対照群の空腹時血清G値は102±14.1pg/ml, B負荷後5分で178±60.0pg/mlと増加 (p<0.05) し, 良好なG放出が惹起された. 胃・十二指腸疾患例の16.7%, 20.0%および63.3%がそれぞれ高値, 正常値および低値・変動群に分類され, 正常対照と異つたG放出機序の存在が示唆された. 空腹時およびB負荷後peak G値幽門前庭部粘膜内gastrin-like immunoreactivities量との間にそれぞれr=0.65 (p<0.01) およびr=0.72 (p<0.001) と良好な正の相関々係が得られ, 本試験下の血中G動態はfunctional G cell massの大小を反映し臨床応用意義を有すると考え, 若干の考察を加えた.

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