日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
Ursodeoxycholic acid長期投与による胆石症の治療
奥村 恂谷川 久一中馬 康男小路 敏彦中川 昌壮中村 裕一飯野 治彦山崎 晴一朗久次 武晴
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1977 年 74 巻 8 号 p. 1030-1041

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抄録

Chenodeoxycholic acid (CDCA) の7β-OH異性体であるursodeoxycholic acid (UDCA) は, わが国では20年来利胆剤として使用されてきた薬剤である. 本剤にはCDCAとの構造上の類似性や, CDCA投与後の胆汁中UDCAの増量などより, コレステロール溶存能を高め胆石溶解作用のあることが期待される.胆石症78例にUDCA 450mg/日を1~18ヵ月投与し, 胆石溶解効果を検討した. その結果, 29/78 (37.2%) に胆石の消失ないし大きさの縮小, 数の減少などがみられた. 本剤はCDCAに比べると副作用が少なく, 症例を選べば試みる価値ある内科的療法と考えられる.

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