1977 年 74 巻 8 号 p. 1030-1041
Chenodeoxycholic acid (CDCA) の7β-OH異性体であるursodeoxycholic acid (UDCA) は, わが国では20年来利胆剤として使用されてきた薬剤である. 本剤にはCDCAとの構造上の類似性や, CDCA投与後の胆汁中UDCAの増量などより, コレステロール溶存能を高め胆石溶解作用のあることが期待される.胆石症78例にUDCA 450mg/日を1~18ヵ月投与し, 胆石溶解効果を検討した. その結果, 29/78 (37.2%) に胆石の消失ないし大きさの縮小, 数の減少などがみられた. 本剤はCDCAに比べると副作用が少なく, 症例を選べば試みる価値ある内科的療法と考えられる.