日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
吻合部潰瘍に関する研究
第1報 主として内視鏡検査を中心とした臨床的研究
榊 信広河村 奨飯田 洋三前谷 昇有山 重美平田 牧三渡辺 正俊富士 匡浜田 義之中村 克衛竹本 忠良
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1978 年 75 巻 10 号 p. 1555-1563

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抄録

吻合部潰瘍の臨床的研究を, 内視鏡検査を中心に行なつているが本編ではとくに狭義の吻合部潰瘍について検討した. 内視鏡検査は, 吻合部潰瘍の診断面のみならず, 病態の解明にも有用であつた. 微少ガラス電極を用いた内視鏡直視下pH測定では, 吻合部潰瘍例では残胃粘膜では強酸性を示した. 内視鏡的コンゴーレッド法では, 吻合部付近を除く全域に黒変がみられた. 拡大胃内視鏡FGS-MLによる胃粘膜微細模様の観察では, 残胃の萎縮性胃炎が吻合部の狭い範囲に限局していることを示した.
一方, 胃液検査では液量, 酸, ペプシン共に高値を示したが, 血中ガストリンは正常であつた. このように, 形態機能共に正常な胃底腺が保たれている残胃に, 吻合部潰瘍が発生すると考えられた.

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