日本消化器病学会雑誌
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胃潰瘍の治癒機転に関するX線学的並びに病理組織学的研究
安斉 幸夫
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1978 年 75 巻 10 号 p. 1564-1574

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抄録

胃潰瘍の治癒機転を解明するために, 円形潰瘍の治癒経過をX線学的に追跡し, その各時期のX線所見と病理組織所見を対比検討した. 粘膜集中が一点に集中し, 星芒状を呈して治癒する例では, 主として胃壁収縮によつて治癒し, 組織再生による修復は軽微であつた. 治癒経過中に粘膜ひだ中断像を呈する例では, その出現時期までは胃壁収縮により縮小し, その後は組織再生と胃壁収縮によつて治癒する. その組織再生の治癒機転が関与する範囲は4mmから6mmまでであり, その間の治癒経過は胃壁収縮による縮小経過に比較して遷延する.
難治性潰瘍とは, 胃壁収縮が関与しにくいため, 粘膜再生のみによつて治癒が営なまなければならないので治癒が遷延する潰瘍である.

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