日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
癌組織 carcinoembryonic antigen (CEA) 量と血漿CEA値との関連に関する研究
胃癌と大腸癌について
正木 盛夫飯塚 美伸森藤 隆夫村井 隆夫吉田 浩五十嵐 勤粕川 礼司五ノ井 哲朗吉田 赴夫
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キーワード: 癌組織CEA, 血漿CEA, 胃癌, 大腸癌
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1978 年 75 巻 12 号 p. 1911-1923

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抄録

胃, 大腸の癌, 非癌組織CEAと血漿CEA (p-CEA) のRIAキットでの定量及び癌組織所見より,癌組織CEA (ca-CEA) 量とp-CEA値との関連, それらの規定因子を検討した. p-CEA上昇の基本的要因はca-CEA量 (癌組織CEA濃度, 癌全体のCEA量) と癌進展度であつた. ca-CEA量は癌発生臓器, 癌組織型に左右された. 癌重量とp-CEAとは, 大腸で正相関, 胃で非相関であつた. 胃癌, 大腸癌で癌浸潤度又は癌間質線維増生の著明な群に, p-CEA低値例が多く, 大腸癌で癌組織のリンパ管又は静脈侵襲が著明な群にp-CEA高値例が多かつた. 非癌部CEAは大腸, 胃幽門腺領域, 胃底腺領域の順に多く含有し, 胃幽門腺領域に多い腸上皮化生が関連していた.

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