1978 年 75 巻 5 号 p. 714-719
長期アルコール摂取ラットの膵外分泌の変化について検討するため, 水の代りに20%エタノールを8カ月にわたり経口投与した. ウレタン麻酔下, caerulein-secretin 刺激前後の純粋膵液を採取した. アルコールラットは対照ラットに比べて, 液量, 蛋白 アミラーゼ, 重炭酸塩, カルシウム排出量は刺激前後で低値を, カルシウム濃度では高い傾向をみたが, 蛋白, アミラーゼ濃度では変化がなかつた. 組織学的に, 膵管上皮の扁平化, 膵管の拡張, 時に膵管内に protein plug を認めたが, 腺房細胞の変化はみられなかつた.