日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
各種アミノ酸の静脈内投与の膵外分泌に及ぼす影響についての実験的研究
本田 毅彦斉藤 洋一松野 正紀宮下 英士
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1978 年 75 巻 6 号 p. 891-901

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抄録

慢性膵瘻犬を用いて8種のアミノ酸をそれぞれ2mM/kg時で静脈内に投与し, 各アミノ酸の膵内外分泌に及ぼす影響を検討した. セクレチン, パンクレオザイミン刺激下にアスパラギン, アルギニン, イソロイシン, フェニールアランを投与し, 膵液量はそれぞれ22.9%, 14.6%, 12.5%, 13.3%, アミラーゼ排出量は52.8%, 36.6%, 26.8%, 18.4%と有意の抑制を示した. スレオニン, グリシン, メチオニンは有意の変動を示さず, バリンでは膵液量で13%, アミラーゼ排出量では15.4%の有意の分泌亢進を示した. 重炭酸塩濃度の変動はいずれも軽微であつた. IRI, IRGの変動は有意差はないが, 膵外分泌抑制のみられたアミノ酸では末梢血のIRGは300pg/ml以上の上昇を示した.

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