日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
粘液組織細胞化学的立場からみた腸上皮化生の成立について
飯田 太丸山 雄造
著者情報
ジャーナル フリー

1978 年 75 巻 9 号 p. 1303-1311

詳細
抄録

腸上皮化生を有する胃癌38例, 胃十二指腸潰瘍15例から採取した幽門腺粘膜を検索対象とし, 光顕的にはH-E染色による形態観察の他にPAS, AB染色を行い, 電顕的にはウラン•鉛二重染色による超微形態観察の他に, PA-TCH-SP法を行つて細胞内粘液物質および glycocalyx の検索を行つた. 腸上皮化生巣は最初から腸上皮の条件を完備した吸収細胞が出現する完全型腸上皮化生と, 最初は杯細胞の他に腸上皮と胃被蓋上皮の両方の性格を有する吸収細胞が出現する不完全型腸上皮化生とに分けられる. 不完全型腸上皮化生の一部は完全型腸上皮化生に移行することがある.

著者関連情報
© 財団法人 日本消化器病学会
次の記事
feedback
Top