1978 年 75 巻 9 号 p. 1358-1369
Wister 系雄ラットに2時間の激しい回転運動負荷を試みた. 運動負荷直後に血清GOT, GPT, LDH, 血漿FFA値の有意な上昇と, 血清ALP, glucose, triglyceride 値の低下がみられた. 運動負荷後の肝組織学的変化として, 一部肝細胞の好酸性変性, 脂肪滴の出現, glycogen の著明な減少が認められた. 肝微細構造の変化では肝細胞の凝固壊死像が散見され, mitochondria の変化, SERの増加, glycogen 粒子の減少, 脂肪滴の増加が認められ, 肝細胞の変化の morphometric な解析では, mitochondria の数, SER, 脂肪滴の有意な増加を認めた.
以上の所見より激しい運動負荷により, 肝には形態学的にも認められる変化がおこり, これが血液生化学的変化と密接に関連していることが推察された.