1979 年 76 巻 12 号 p. 2400-2409
潰瘍性大腸炎において,免疫の関与は大であるが,液性免疫の中でも重要な即時型アレルギーについての報告は少ない.今回我々は即時型アレルギーに関与する因子(末梢血好酸球,血清IgE,血漿ヒスタミン,cAMP•GMP,組織好酸球,肥満細胞,IgE含有細胞)を検索した.潰瘍性大腸炎では血漿ヒスタミン高値,大腸粘膜好酸球増加,肥満細胞減少,IgE含有細胞増加が認められ,それらは組織学的重症度とも相関関係を示し,即時型アレルギーが本症において強く関与している可能性を示唆した.副腎皮質ステロイドは即時型アレルギーの反応を抑制するように作用しており,その臨床効果が確認された.