日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
潰瘍性大腸炎における即時型アレルギーの関与と副腎皮質ステロイド剤の効果
土屋 雅春宗像 良雄日比 紀文永田 博司北洞 哲治村岡 松生水野 嘉夫朝倉 均
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1979 年 76 巻 12 号 p. 2400-2409

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抄録

潰瘍性大腸炎において,免疫の関与は大であるが,液性免疫の中でも重要な即時型アレルギーについての報告は少ない.今回我々は即時型アレルギーに関与する因子(末梢血好酸球,血清IgE,血漿ヒスタミン,cAMP•GMP,組織好酸球,肥満細胞,IgE含有細胞)を検索した.潰瘍性大腸炎では血漿ヒスタミン高値,大腸粘膜好酸球増加,肥満細胞減少,IgE含有細胞増加が認められ,それらは組織学的重症度とも相関関係を示し,即時型アレルギーが本症において強く関与している可能性を示唆した.副腎皮質ステロイドは即時型アレルギーの反応を抑制するように作用しており,その臨床効果が確認された.

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