日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
内分泌系および代謝の面からみた肥満者の血液生化学検査の特徴
血清GPT活性値を中心として
吉次 通泰岩瀬 透佐々 隆之
著者情報
ジャーナル フリー

1979 年 76 巻 6 号 p. 1277-1283

詳細
抄録

肥満度が+30~+50%の肥満者76例につき,血清GPT活性値の正常群と異常群との間で空腹時血清インスリン(IRI)および血糖•耐糖能曲線•血清脂質を比較検討し,以下の成績を得た.(1)男性肥満者は43例中16例(37.2%)に血清GPT活性値の異常を合併し,異常群では正常群よりも空腹時IRIおよび血糖値が有意に高く,耐糖能曲線•血清脂質は両群間で差はみられなかつた.(2)女性肥満者では33例中2例(6.1%)に血清GPT活性値の異常を認めるにすぎなかつた.(3)男女とも血清GPT活性値と空腹時IRI値との間に有意の正の相関(男:r=0.4541,女:r=0.4103)を認めたが,女性では空腹時IRIの低い例が多く,女性でGPT値異常例の少ない原因と推測した.

著者関連情報
© 財団法人 日本消化器病学会
前の記事 次の記事
feedback
Top