テトラガストリン刺激による胃液検査を6ヵ月以上の間隔で施行した胃潰瘍18例,十二指腸潰瘍22例,胃・十二指腸併存潰瘍11例の酸およびペプシン分泌能の経過について検討し以下の結果を得た.(1) 胃潰瘍の非再発群に比して,再発群では酸・ペプシン共に低値であつた.(2) 十二指腸潰瘍では再発群と非再発群との間には,酸・ペプシンに差を認めず,その経過中,高値を持続していた.(3) 胃・十二指腸併存潰瘍の難治・再発群は酸・ペプシン共に高値であり,それが経過中持続していた.しかし,非再発群の酸は初回検査時高値であつたが,経過観察後には正常値へと減少し,ペプシンは初回検査時から高値ではなく,経過中変動を認めなかつた.