日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
消化性潰瘍患者における胃外分泌能の経過
塚本 純久中沢 三郎瀬川 昂生内藤 靖夫川口 新平富永 潤中條 千幸安座 間聡杉山 秀樹清水 豊岡田 正典坪井 靖治加藤 景三山田 憲一村松 省吾
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1980 年 77 巻 10 号 p. 1547-1554

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抄録

テトラガストリン刺激による胃液検査を6ヵ月以上の間隔で施行した胃潰瘍18例,十二指腸潰瘍22例,胃・十二指腸併存潰瘍11例の酸およびペプシン分泌能の経過について検討し以下の結果を得た.(1) 胃潰瘍の非再発群に比して,再発群では酸・ペプシン共に低値であつた.(2) 十二指腸潰瘍では再発群と非再発群との間には,酸・ペプシンに差を認めず,その経過中,高値を持続していた.(3) 胃・十二指腸併存潰瘍の難治・再発群は酸・ペプシン共に高値であり,それが経過中持続していた.しかし,非再発群の酸は初回検査時高値であつたが,経過観察後には正常値へと減少し,ペプシンは初回検査時から高値ではなく,経過中変動を認めなかつた.

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