日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
セクレチン負荷試験の血中ガストリン遊離に関する研究
特に胃,十二指腸潰瘍の病期との関連について
白鳥 敬子
著者情報
ジャーナル フリー

1980 年 77 巻 11 号 p. 1725-1732

詳細
抄録

胃,十二指腸潰瘍37例,Zollinger-Ellison症候群(ZES)1例を対象にセクレチン負荷試験を行い,血中ガストリンの反応性とその内視鏡的な潰瘍の病期(stage)とを比較検討した.胃,十二指腸潰瘍いずれも,active stageで負荷後血中ガストリンの上昇反応が認められ,scarstageでは抑制された.同一症例でも同じ結果が得られ,しかも投与したセクレチンの種類(Boots, Eisai, GIH)を問わなかつた.このように潰瘍のactive stageでは,一過性にZESと類似した血中ガストリンの反応が認められた.一方,著者の経験したZESでは,その潰瘍のactive stageで負荷後著明な血中ガストリンの上昇を認めたが,scar stageでは軽度の上昇に止まり,stageによる反応性の程度が異なると考えられた.

著者関連情報
© 財団法人 日本消化器病学会
前の記事 次の記事
feedback
Top