日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
体質性ICG排泄異常症の10例
その臨床病理像を中心に
小坂 義種明田 昌三為田 靱彦高瀬 幸次郎萩原 正芳垣内 佐十志藤本 昌雄益田 洋一井戸 健一山田 昌信
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1980 年 77 巻 11 号 p. 1756-1765

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抄録

体質性ICG排泄異常症の10例を経験し,その臨床所見,血液生化学所見,ICGの血中消失曲線,肝への移行率,ICG結合蛋白および肝の微細構造などについて若干の考察を加xて報告する.症例は22歳から58歳迄の男子7例と女子3例である.KICGの平均値は0.019±0.0048.R15ICGは76.76±5.99と著しい排泄遅延がみられた.ICGの血漿から肝への移行率は0.0222±0.0054と強い取り入み障害が観察された.肝組織は3例が脂肪肝,1例が慢性肝炎活動型,6例は正常肝を示した.肝の微細構造の主要変化はlypofuscinの増加とmitochondriaの変化,reticulum fiberの増加などであり,肝の形態と,機能の結びつきをある程度解明しえた.

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