1980 年 77 巻 12 号 p. 1879-1889
ヒト胃十二指腸運動に及ぼすセクレチンの影響を検討するために,20名の対象においてlow compliance pumpを用いたopen-tip法により長時間連続運動測定を行つた.その結果ヒトの自発性interdigestivemigrating motor complex (MMC)には胃から発現するもの(GI-MMC)と十二指腸以下から発現するもの(I-MMC)とがあることがわかつた.またセクレチン2U/kg投与では13例中11例に十二指腸から発現するMMC様の運動(SI-MMC)がみられた.セクレチンの投与量を変えても,出現したSI-MMCの性質には有意差はみとめられず,セクレチンが自発性MMCの発現に関与している可能性が示唆された.