日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
慢性活動性肝炎と健常者末梢血リンパ球の培養ラット肝細胞に対する細胞障害性リンパ球のsubsetについて
野々村 昭孝原武 譲二狩野 哲次太田 五六
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1980 年 77 巻 2 号 p. 214-220

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抄録

慢性活動性肝炎(CAH)と健常者の末梢血リンパ球の培養肝細胞(Coon細胞)に対する直接細胞障害性リンパ球亜分画を検索し比較検討した.CAHおよび健常者ともに細胞障害性は弱ガラス壁着細胞分画,EA-RFC分画,EAC-RFC分画でつよく,他にlow affinity E分画やnon E-RFC分画等にみられ,Coon細胞障害性リンパ球のheterogeneityが示唆された.細胞障害性リンパ球亜分画の中では,CAHの弱ガラス壁着細胞分画の細胞障害性は健常者のそれに比較して有意に高かつたが,他の分画では差はみられなかつた.し かし,健常者と比較して,CAH患者に特異なCoon細胞障害性リンパ球亜分画はみられなかつた.従つて,CAHにみられる強いCoon細胞障害性は,細胞障害性リンパ球の種類からみるとSpontaraneous cell-mediated cytotoxicity (SCMC)と同一のメカニズムによるであろうと考えられた.

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