1980 年 77 巻 3 号 p. 386-394
重症肝疾患とエンドトキシン血症との関連を調べるため,各種肝疾患164例についてLymulus LysateTestを用いて,血中エンドトキシンを検索した.また肝硬変症と原発性肝癌例に99mTc-phytateにて肝Scintigramを行い,一部の症例で99mTc-phytateの血中のHalf Clearance Timeを求めて肝血流指数k値を算出した.劇症肝炎及び原発性肝癌ではエンドトキシン血症の出現頻度は,それぞれ75%,61.9%と高かつた.また肝が萎縮し肝血流指数k値が0.124以下でBSP45分値やICG15分値が34%以上の症例では,エンドトキシン血症を呈し易い傾向にあつた.