日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
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男性肥満者における体重減少が血清トランスアミナーゼ活性・血清脂質・耐糖能検査に及ぼす影響
吉次 通泰岩瀬 透佐々 隆之
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1980 年 77 巻 6 号 p. 927-934

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抄録

男性肥満者50例につき摂取カロリーの制限による減量前・後の血清GOT・GPT活性値,血清脂質値および耐糖能検査成績を比較し,以下の結論を得た.(1)血清トランスアミナーゼ活性値の異常を示す頻度は,肥満度で5%以内の減量により減量前はGOTで52.9%, GPTで64.7%であつたのが減量後は両酵素ともその頻度は11.8%となり,5%以上の減量で両酵素活性値とも全例正常化した.(2)高中性脂肪血症の頻度は5%以上の減量により減量前の54.6%から減量後の9.0%へと,高コレステロール血症の頻度は10%以上の減量により64.7%から5.9%へと有意に低下した.(3)耐糖能異常については,肥満度で20%の減量を認めてもその改善率はなお約40%に過ぎなかつた.

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