日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
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集中治療室における急性非A非B型肝炎の集団発生にいて
赤池 正博奥村 英正荒牧 琢己菊池 恭一勝田 悌実里村 克章加藤 良夫寺田 秀人野村 明子高野 照夫
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1981 年 78 巻 11 号 p. 2129-2135

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抄録

1977年1月以降の2年間に当院集中治療室に入室した急性心筋梗塞患者161例のうち8例に急性ウイルス肝炎が併発した.HB抗原抗体系,臨床像,TTT, IgM,一部の症例に対するHA抗体の検索,cytomegalo virus抗体価等の結果および臨床経過より,全例非A非B型肝炎と診断した.8例中5例の集中治療室左室期間は約1ヵ月半の間に集中し,他の3例中2例も左室期間に関して集中発生の5例と関係を有し,同一感染源によるものと推定された.Thermodilution法の改善により,その後このような例の発症をみないことから,共用の生理食塩水が感染源として疑われた.上記集団発生7例中1例に非A非B型とB型肝炎の重感染をみた.

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