日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
ヒト血清Group IIペプシノーゲン(PG II)のradioimmunoassay
一瀬 雅夫三木 一正降旗 千恵景山 節丹羽 寛文岡 博織田 敏次松島 泰次郎高橋 健治
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1981 年 78 巻 12 号 p. 2275-2284

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抄録

外科的手術材料から得たヒト胃粘膜より精製したGroup II pepsinogen(PG II)を用いて二抗体法によるヒト血中PG IIのradioimmunoassay法を開発した.1)この測定系の至適抗体濃度は2,000倍で,測定限界は1ng/ml,至適測定域は,10~50ng/mlであった.2)測定系に対する血清の干渉およびGrouP I pepsinogen(PG I)との交叉性は,認められなかった.3)測定系の精度を変動係数で見ると,同一測定系内3.4%,複数測定系間3.7~15.3%であった.4)正常者群215名における血中PG II値(Mean±s. E.)は,男性16.0±0.8ng/mlであり,女性12.4±1.4ng/mlに比べて有意(p<0.05)に高値を示した.5)胃全摘患者4例の血中PG II値(Mean±s. E.)は,1.1±0.07ng/mlであった.血中PG IIの大半は上部消化管由来であると思われる.

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