日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
肝細胞癌の超音波診断
病理組織所見との対比による検討
品川 孝大藤 正雄木村 邦夫松谷 正一木村 道雄宇野沢 隆夫宇梶 晴康常富 重幸仲野 敏彦守田 政彦税所 宏光土屋 幸浩大野 孝則奥田 邦雄
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1981 年 78 巻 12 号 p. 2402-2411

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抄録

肝細胞癌79例,転移性肝癌48例の超音波所見を検討し,その腫瘍像を形状により結節型,塊状型,びまん型の3型,内部エコーの性状から低エコー,辺縁低エコー,高エコー,混合エコーの4パターンに分類した.腫瘍像は大きさにより差があり,肝細胞癌では3cm以下で低エコー,5cm以上で高エコーーパターンが主にみられた.病理組織所見との対比ではエコーパターンは壊死の程度に関して有意差を示した.5cm以下の小肝細胞癌は結節型で低ないしは辺縁低エコーパターンを基本とした.被包型肝細胞癌は53.3%に側方音響陰影を持ち,被膜は腫瘍辺縁部にて低エコーとして描出された.肝細胞癌と転移性肝癌は盲検判定で高率に鑑別診断が可能であった.

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