肝細胞癌79例,転移性肝癌48例の超音波所見を検討し,その腫瘍像を形状により結節型,塊状型,びまん型の3型,内部エコーの性状から低エコー,辺縁低エコー,高エコー,混合エコーの4パターンに分類した.腫瘍像は大きさにより差があり,肝細胞癌では3cm以下で低エコー,5cm以上で高エコーーパターンが主にみられた.病理組織所見との対比ではエコーパターンは壊死の程度に関して有意差を示した.5cm以下の小肝細胞癌は結節型で低ないしは辺縁低エコーパターンを基本とした.被包型肝細胞癌は53.3%に側方音響陰影を持ち,被膜は腫瘍辺縁部にて低エコーとして描出された.肝細胞癌と転移性肝癌は盲検判定で高率に鑑別診断が可能であった.