日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
各種肝疾患におけるアンチピリン試験の臨床的意義
隆 元英武者 広隆土屋 聖二後藤 信昭高安 賢一鈴木 直人小藤田 和郎奥田 邦雄
著者情報
ジャーナル フリー

1981 年 78 巻 2 号 p. 182-189

詳細
抄録

対照11例,各種肝疾患69例にアンチピリン1.0gを経口投与し,その血中半減期(T/2)を求めた.肝硬変症では,対照群に比してT/2が有意に延長しており,特に非代償性肝硬変症例で著しい延長を認めた.慢性活動性肝炎,肝外性門脈圧亢進症例も対照群に比してT/2の延長する傾向があつた.T/2は総ビリルビン,血清アルブミン,プロトロンビン時間と相関関係が認められ,肝細胞機能を良く反映しており,肝のFunctional Parenchymal cell massを良く表現しているものと考えられた.一方ICG 15分血中停滞率や肝内短絡率の如き有効肝血流量を表現する検査とT/2も良く相関し,肝細胞機能が肝血流量により大きく左右されるものと考えられた.

著者関連情報
© 財団法人 日本消化器病学会
前の記事 次の記事
feedback
Top