日本消化器病学会雑誌
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Print ISSN : 0446-6586
胆嚢内Methylcholanthrene Beeswax pellet挿入による実験的胆嚢癌の誘発
鈴木 彰高橋 俊雄
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キーワード: 実験的胆嚢癌, 胆石症
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1981 年 78 巻 2 号 p. 222-227

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抄録

ハムスター50匹を無処置対照(I群),胆嚢切開(II群),胆嚢内にBeeswax pellet挿入(III群),およびMethylcholanthrene Beeswax pellet挿入(IV群)に分けて実験的胆嚢癌の誘発を行つた.41匹が術後5カ月間生存した.その結果,I,II群には癌発生例なく,III群で8%,IV群で55%に癌発生を認めた.組織型は,いずれも分化型の腺癌であつた.本法は操作が容易で,かつ短期間に高率な癌発生をみることから胆嚢癌の発生,或いは胆石症との関連性を研究する上で有用な実験モデルになりうると考えられる.

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