日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
PS試験における膵酵素分泌相関
とくにamylase以外の酵素の測定の診断的意義について
衣笠 勝彦加嶋 敬稲田 安昭堀居 雄二森永 理瀧野 辰郎
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キーワード: 膵酵素分泌相関, PS試験
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1981 年 78 巻 2 号 p. 246-253

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抄録

PS試験におけるamylase output, lipase output, trypsin outputおよびchymotrypsin outputを測定し,これらの膵酵素の分泌相関を検討するとともに,その酵素活性の感度および十二指腸吸引液中での安定性を比較することにより,PS試験におけるamylase以外の膵酵素を測定することの診断的意義について検討を加えた.pancreozymin刺激でtrypsin outputが他の酵素よりも優位となるが,総排出量では,4つの膵酵素はほぼ平行して分泌されており,膵外分泌機能障害時にも特別な分泌解離は認められなかつた.さらに,膵外分泌機能障害ではamylase outputが最も敏感に低下するだけでなく,試料中での酵素活性も最も安定していた.すなわち,PS試験で,特にamylase以外の酵素を測定する意義はない.

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