日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
Amylase Creatinine Clearance Ratio (ACCR)に関する基礎的•臨床的研究
柴田 泉
著者情報
キーワード: 急性膵炎
ジャーナル フリー

1981 年 78 巻 4 号 p. 923-931

詳細
抄録

急性膵炎の診断に用いられるACCRについて,その測定上•算出上の問題点を検索し臨床的意義について考察を加えた.アミラーゼの測定にブルースターチ法を用いる場合,より正確なACCR値を得るためには,尿にアルブミンを添加する必要がある.Ccr 60ml/min以下ではACCRの異常高値を示すことがある.ACCRの日内変動は少く,日差変動は一定の傾向を示さなかつた.ACCRは高アミラーゼ血症の鑑別診断に有用であるが,その上昇は必ずしも急性膵炎に特異的ではない.しかしACCRは血清アミラーゼ活性値,尿中アミラーゼ排出量,臨床症状と同列に並ぶ1つの指標として,急性膵炎の診断および経過観察に用いられるべき検査法と考えられる.

著者関連情報
© 財団法人 日本消化器病学会
前の記事 次の記事
feedback
Top