1981 年 78 巻 5 号 p. 1021-1028
消化管原発非ポジキン悪性リンパ腫21例のホルマリン固定材料を用いPAP法で,免疫グロブリン,リゾチームなどの局在を調べた.組織学的にはRappaport分類でびまん型が多く13例で,結節型は8例であつた.腫瘍細胞はPDLが最も多く,次いでHistiocyticであつた.21例中11例の腫瘍細胞内に免疫グロブリンがmonoclonalに認められたが,リゾチームは全例みられなかつた.著者らの症例ではびまん型のものが多かつたが,結節型もかなり多く,また免疫グロブリンがびまん型に多くみられたことから,腫瘍の多くはリンパ球由来であり,特にB cell由来のものと考えられた.