日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
放射線治療による胃癌細胞の変化に関する研究
磯野 晴一武田 鉄太郎甘 糟仁浅川 洋山田 章吾石岡 国春
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キーワード: 胃癌, 放射線治療, 細胞診
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1981 年 78 巻 6 号 p. 1185-1190

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抄録

放射線治療を施行した胃癌患者74例を対象として,照射前後の生検および切除標本擦過塗抹標本の癌細胞の変化を検討した.照射により,塗抹標本上の壊死物質と好中球はいずれも増加し,癌細胞量は線量増加とほぼ平行して減少の傾向が認められた.癌細胞集団は小型化し,平面状に配列する傾向があつた.細胞質は膨化,空胞形成,染色性の変化が顕著であつた.細胞質の膨化は3,000rad未満の時点でほぼ全例に観察された.核の変化は,腫大,多核,濃染,淡染などが観察された.核の腫大は分化型癌でより著明であつた.

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