日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
テトラガストリンによるラット胃酸分泌刺激時の胃組織および胃液カテコールアミンの変動に関する検討
馬場 都竜田 正晴奥田 茂田村 宏伊藤 忠雄
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1981 年 78 巻 6 号 p. 1191-1197

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抄録

交感神経末端の刺激伝達物質である微量のカテコールアミンを高速液体クロマトグラフィーを用い測定し得る方法を考案し,ガストリンによるラット胃酸分泌刺激時の胃液および胃組織内カテコールアミンの変動を測定した.テトラガストリンによる酸分泌刺激によりShayの方法により採取した胃液中へのノルアドレナリン分泌量および胃体部胃壁全層内のノルアドレナリン濃度は,基礎分泌時に比しそれぞれ42%,29%減少した(p<0.05).しかし,胃液アドレナリン分泌量には変動は認められなかつた.ノルアドレナリンは交感神経末端の主たる刺激伝達物質と考えられており,テトラガストリンによる酸分泌刺激時にはテトラガストリンが胃の交感神経系に何らかの影響をおよぼしていることが示唆された.

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