ラットに水浸拘束ストレスを加え急性胃潰瘍を作成し,胃粘膜アミン,胃粘膜ムコ物質,胃運動,胃壁血流,酸度を測定し潰瘍発生機序について考察するとともに,潰瘍発生予防に対するシメチジンと迷切の効果についても検討し以下の結論を得た.(1) 急性胃潰瘍の発生機序は,まず放出された胃粘膜アミンにより胃粘膜の循環障害が生じ,胃運動の亢進,過酸,粘膜防禦の低下が複雑に重なり発生すると考えられた.(2) 潰瘍発生の予防には,シメチジンと迷切は有効であつた.(3) シメチジンの潰瘍発生予防の作用には,胃分泌抑制作用の他に,胃粘膜血流を改善する作用があるのではないかと推測された.