日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
Prostaglandin E2, CimetidineおよびGeranyl-geranyl-acetoneのラット胃粘膜障害におよぼす効果
寺野 彰松本 和則本木 達也村尾 覚上井 一男
著者情報
ジャーナル フリー

1981 年 78 巻 8 号 p. 1577-1584

詳細
抄録

prostaglandin E2 (PGE2),cimetidine (CIM)およびgeranyl-geranyl-acetone (GGA)の胃粘膜関門におよぼす作用をラットのgastric chamberを用いて検討した.これらの薬剤はacetyl salicylic acid (ASA)やtaurocholic acid (TCA)による胃粘膜障害時のpotential differenceとH+およびNa+ion fluxの変化を抑制した.また胃粘膜表層細胞のjunctional complexがASAやTCAによる胃粘膜障害時に不鮮明になること,PGE2などによつてこの変化が軽減することを電顕的に観察した.これらのことからPGE2,CIMおよびGGAは表層細胞のjunctional complexに作用し,ASAやTCAによる胃粘膜関門の破壊を抑制すると考えられる.

著者関連情報
© 財団法人 日本消化器病学会
前の記事 次の記事
feedback
Top