日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
Single stool methodによる糞便脂肪測定法の意義
布出 泰紀正宗 研松本 恒司大柴 三郎
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1981 年 78 巻 8 号 p. 1593-1598

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抄録

Balance study法は,最も一般的な吸収試験法である.著者らは,これに代る方法として,1回の糞便中脂肪量を標識物質radio-opaque pellet (ROP),あるいはpolyethylene glycol (PEG)の値で補正し,1日糞便脂肪量を求める測定法を試み,balance studyの成績と比較検討した.成績;1) ある一定期間完全に蓄便することは実際にはきわめて困難である.2)1日に排泄される糞便は,必ずしも1日に摂取した食事を反映しない,3) 糞便中ROPとPEGとの問には密接な相関がみられる,4) 1回の糞便中脂肪量をROP,あるいはPEGで補正した1日糞便脂肪量は,4日間蓄便法による成績と高い相関を示した.したがつて,著者らの方法は,従来のbalance studyに代る糞便脂肪測定法といえる.

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