1981 年 78 巻 8 号 p. 1599-1605
潰瘍性大腸炎35例,クローン病10例の合併症について検討した.腸管合併症として大量出血,中毒性巨大結腸,穿孔,前癌病変,痩孔形成,狭窄,肛門病変を認め,腸管外合併症として皮膚粘膜病変,関節脊椎疾患,肝障害,貧血,低蛋白血症等を認めた.潰瘍性大腸炎では重症例,病変範囲の広いものに合併症が多く認められた.クローン病では低蛋白血症は小腸クローン病に多く,肛門病変は大腸に病変のあるクローン病に多かつた.腸管合併症,腸管外合併症ともに潰瘍性大腸炎,クローン病両疾患に共通な合併症が多く認められた.