1981 年 78 巻 8 号 p. 1650-1657
ラットをコリン欠乏•低蛋白食餌で飼育し,DL-エチオニン腹腔内投与による実験的膵炎モデルの作成を試みた•1)コリン欠乏•5%含有蛋白食餌飼育下で100mg/100g.体重のエチオニンを1日2回,腹腔内に注射した.膵は急性出血性•壊死性膵炎像を示した.2)コリン欠乏•15%含有蛋白食餌で6週間飼育し,その間に60mg/100g.体重のエチオニンを1日2回,週2日,腹腔内に注射した.膵は軽度~中等度の慢性膵炎像を示した.3)飼育餌料中の蛋白含有量およびエチオニンの投与量,投与期間を変えることにより,様々なタイプの膵炎モデルの作成が可能となつた.また本法による膵炎作成は,従来より行なわれているエチオニン膵炎に比べ確実性が高かつた.