日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
ラットにおける実験的膵炎の作成に関する研究
とくに無コリン•低蛋白食餌飼育によるエチオニン膵炎について
永田 和之山本 亘渡辺 嘉久足立 穣一渡辺 正敏野原 秋男中田 正久岩崎 高明宮本 滋村井 俊介阿部 正和
著者情報
ジャーナル フリー

1981 年 78 巻 8 号 p. 1650-1657

詳細
抄録

ラットをコリン欠乏•低蛋白食餌で飼育し,DL-エチオニン腹腔内投与による実験的膵炎モデルの作成を試みた•1)コリン欠乏•5%含有蛋白食餌飼育下で100mg/100g.体重のエチオニンを1日2回,腹腔内に注射した.膵は急性出血性•壊死性膵炎像を示した.2)コリン欠乏•15%含有蛋白食餌で6週間飼育し,その間に60mg/100g.体重のエチオニンを1日2回,週2日,腹腔内に注射した.膵は軽度~中等度の慢性膵炎像を示した.3)飼育餌料中の蛋白含有量およびエチオニンの投与量,投与期間を変えることにより,様々なタイプの膵炎モデルの作成が可能となつた.また本法による膵炎作成は,従来より行なわれているエチオニン膵炎に比べ確実性が高かつた.

著者関連情報
© 財団法人 日本消化器病学会
前の記事 次の記事
feedback
Top