抄録
Ca拮抗剤は,Caイオンの細胞内流入を抑制することにより平滑筋弛緩をおこすものである.本研究では食道下端括約圧(LESP)に対するCa拮抗剤の影響について基礎的ならびに臨床的検討を行った.麻酔犬を用いた実験では、nifedipine, verapamil, diltiazemは,安静時LESPを低下させtetragastrin, bethanecholによるLESPの上昇も抑制した.臨床的にはCa拮抗剤のLESP低下作用をLESP亢進状態であるアカラシアに対して応用することを考え,舌下投与の可能なnifedipineについて検討を行つた.その結果,nifedipineはアカラシア患者のLESPを低下させ,また症状の改善をもたらした.したがつて,nifedipineはアカラシアの内科的治療の手段となり得ると思われる.