日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
Radioimmunoassay法による正常者および各種疾患患者血清Group IおよびIIペプシノーゲン(PGIおよびPGII)値の動態
とくに両値の相関を中心として
三木 一正一瀬 雅夫降旗 千恵景山 節丹羽 寛文岡 博松島 泰次郎高橋 健治
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1982 年 79 巻 11 号 p. 2071-2079

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抄録

Radioimmunoassay(RIA)法を用いて,内視鏡的に確診した正常群214例,消化性潰瘍群183例,その他114例の血清Group IおよびIIペプシノーゲン(PG II およびII)を同一症例で同時に測定した.血清総ペプシノーゲン(T-PG)値,PGI/T-PG(%PG I)およびPGIとPG IIの相関を検討し以下の結論を得た.(1)正常群血清中のPG I:PG II〓3:1で両者間は有意な相関を示した(r=0.531,p<0.001).(2)血清T-PG(平均±SD)値(μg/l)は十二指腸潰瘍(79.0±40.4),胃•十二指腸潰瘍(75.7±20.5)および胃潰瘍(70.2±36.3)の順であり正常群(58.9±31.7)よりも有意に高値を示した(p<0.001,p<0.025およびp<0.01).(3)両値を同時測定することは消化管疾患の病態•生理学的検討およびペプシン•ペプシノーゲンの臨床的意義の解明の一助となるものと考えられた.

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