1982 年 79 巻 3 号 p. 808-819
Chang肝細胞および継代培養ヒト肝癌細胞に対するヒトリンパ球の各種cytotoxicity (NK, ADCC, CMC)を超微形態学的に検討し,次の結果が得られた.各種cytotoxicityのいずれの場合においても,リンパ球がcytotoxicityを発揮するためには標的細胞への接着が必要であり,特に両細胞の形質膜表面を被うruthenium red-positive surface coatsの接着が必須であつた.NK cel1はvillouslymphocyteで直径5.5~6.0μを,K cellはrelatively villous lymphocyteで4.4~4.8μを,CTLはsmooth lymphocyteで6.0~6.3μを示した.NKやADCCではpoint contact,CMCではbroad contactが多くみられた.emperipolesisは細胞障害後期に多く観察され,特にNKやADCCではよくみられ,重要な細胞障害性結合様式と考えられた.