日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
膵石症と膵内・外悪性腫瘍の合併について
小口 寿夫長田 敦夫平林 秀光竹内 健太郎田村 泰夫上野 一也嶋倉 勝秀川 茂幸佐々木 康之門野 聡本間 達二古田 精市
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1982 年 79 巻 3 号 p. 851-857

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抄録

慢性石灰化膵炎53例を最短1年,最長16年にわたつてfollow-upしたところ,膵癌の発生は皆無であつたが,膵以外の悪性腫瘍の合併を5例(9.4%)に認めた.また別に膵癌と膵石の共存する4例を経験したが,うち3例の膵石の性状は融合状・鋳型状の特徴ある大結石であつた.
最近10年間(1969-1978年)の日本病理剖検輯報から211例の膵石症を集計したところ,そのうち31例(14.8%)に膵癌を,55例(26.2%)に膵以外の悪性腫瘍を高頻度に認めた.
膵石症をfollow-upする場合,膵内・外悪性腫瘍の合併についても留意する必要がある。

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