内視鏡的直視下生検材料を用い,ヒト胃粘膜hexosaminidase活性測定およびisozyme分離を行い,さらに酵素染色による組織学的検討を行つた.酵素活性は正常胃粘膜では幽門部に高く,胃体部に低かった.また正常胃粘膜に比べ,胃癌群では高値を示し,胃潰瘍および胃炎群では低値を示した.これらは各部位の組織構築上の違いや胃粘液代謝と密接に相関しており,粘液産生の盛んな部位に酵素活性も強かった.isozyme A, Bについては正常胃粘膜では,幽門部,胃体部ともB/A<20%であり部位による違いはないが,癌および潰瘍病変ではB/A比の上昇を認めた.