日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
消化管管腔内ガストリンについて
十二指腸由来 luminal gastrin, その放出至適pHと由来についての検討
松澤 裕一宮田 道夫吉沢 章夫有馬 進太郎金澤 暁太郎森岡 恭彦
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1983 年 80 巻 1 号 p. 16-23

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抄録

十二指腸腸管内腔にガストリンが放出される際の放出至適腸管内pHと腸管内ガストリンの由来を決定するために34頭の雑種成犬を用いた急性実験を行なつた. 十二指腸内腔はpH-STAT法により一定のpHに保ちつつ持続潅流を行ない. RIAにより潅流液と血中のガストリン濃度を測定した. 内腔へのガストリン放出は内腔のpHにより差があつたが, 放出が顕著な例ではさらに標識ガストリンを用いてその由来について検討した. その結果, (1) 十二指腸内腔がpH1.0~3.0の場合, 内腔に多量のガストリンが放出される. (2) このガストリンは血中ガストリンに由来するのではなく, 直接ガストリン産生細胞であるG-細胞に由来する, ことが明らかになつた.

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