日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
インターロイキン-2による薬物アレルギー性肝炎患者末梢血リンパ球の幼若化反応増幅と薬物感作リンパ球の長期培養
溝口 靖紘沢井 寛子筒井 ひろ子阪上 吉秀東森 俊博門奈 丈之山本 祐夫森沢 成司
著者情報
ジャーナル フリー

1983 年 80 巻 1 号 p. 61-67

詳細
抄録

臨床症状や病歴によつて薬物アレルギー性肝炎と診断される患者においても, リンパ球幼若化反応やリンホカインの産生などの免疫学的パラメーターで起因薬物を同定できない場合がある. これは感作リンパ球の数が少ないためとも考えられる. 本研究において, 著者らはこのような4症例の患者末梢血リンパ球を起因薬物及びキャリアー蛋白で刺激する際, インターロイキン-2を添加することによつて, リンパ球幼若化反応が増幅されることを観察した. また, 起因薬物, キャリアー蛋白及びインターロイキン-2を含む培養液で感作リンパ球を長期間培養することが可能であることを示した. これらの研究は薬物アレルギー性肝炎の診断やその病態の解析に極めて有用な手段を提供するものと考えられる.

著者関連情報
© 財団法人 日本消化器病学会
前の記事 次の記事
feedback
Top